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2016年 4月
4月10日(日)
お知らせ:
仕事が忙しいのでこの絵日記、しばらくの間、実質活動休止とさせていただきます。

いやね、もうほんとこの1か月以上家に帰って寝るだけのような生活でしてね?
お絵描きする時間的・肉体的・精神的余裕が無くなっちゃいまして。休日は映画を観るので精いっぱい。
もうゲームすら全然出来てないもんね。あのドラクエビルダーズすら(モンハンクロスは移動時間使って何とか村クエ進めてエンドクレジットを見る所までは行った)。

ってんでここ1カ月ほどの映画感想だけ置いておきますね。

アーロと少年」。
恐竜が絶滅しなかった太古の世界を描いたピクサーらしい良質の冒険アドベンチャー。なんだけど単に「良質の作品」で片づけられない何か不穏感みたいなのが うっすらと張り付いている。「怪作」とまでは行かないんだけど、今までのピクサー作品とは違う感じで妙に心に引っかかる。
内容は王道の「行きて帰りし物語」の旅なんだけど、太古の自然溢れる地球を冒険しているってよりは世紀末の崩壊した世界をサバイバルしているように見えるんだよね。キャラ造形とかのどかに見えて単に「自然の厳しさ」だけでは説明できない妙な緊張感が全編を支配している。
世紀末に見えるってのはまず文明のレベル。太古なんだから文明レベルが低いのは当たり前なんだけど、それが人間ならその後の文明の発展が無意識に想像でき るけど、恐竜が独自の進化を遂げて簡単な農耕までするようになった世界なので、その後の文明レベルの上昇が想像できないってのがある。
あと略奪とかが横行してたり、弱き者が肩寄せ合って独自のコミュニティを形成して生き抜いていたり、なんなら「生きるためにお前を殺して食う」という意識 が根底にあったりする連中も居たりとか、もうこれはヒャッハーな世界以外の何物でもないので、道中で出会うキャラ全員に警戒心が解けないんだよね。
そして人間の扱い自体が「これからのこの地上の覇者」って感じが全く無くて、単に新参者のか弱い種、程度の扱いにとどまっていることも不穏感を後押ししてる。文明レベルも恐竜に水をあけられてるし、恐竜がそっと見守るべき下等な種みたいになってるのが逆に新鮮というか。
そんな根底に漂う物とは別にハッキリと直接的な不穏と言えば、途中にあるあのドラッギーな場面な! 幻覚を見る場面があるんだけど、そこの描写の不意打ちのマジキチぶりは、単なるギャグとしての許容量を超えていて、映画館内でも「あ、今ヤバいもの見ちゃった…」って動揺感に溢れていたよw
それからこの映画で特筆すべきは自然描写のCG表現の進化っぷり。樹木の表皮の質感とか凄いことになってるし、あと皆言ってるけど水の表現な! 素人目で見ても今までとレベルが違うってのが分かるくらい凄い。最初に川の水面見た時とかは「え、これCG?」って疑うレベル。この自然表現だけでも必見。

リリーのすべて」。
世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人画家とその妻の物語。自らの本質を曝け出す事の勇気を描いた作品であり、夫婦から始まり文字通り性別を超えた結びつきに至る男女の話でもあるのだが、何と言っても主演のエディ・レッドメインのエロ可愛さに萌え狂う映画。
にしてもエディ・レッドメインはホーキング博士を演じてアカデミー賞を受賞した前作「博士と彼女のセオリー」でも思ったけど、感情のざわめきを顔の表情だけでなく身体の表情で伝えるのに長けているなぁと感心した。今回は前作では封印していた「脚の表情」とかも絶品なんだ。
とあるきっかけで女装に傾倒していくんだけど、その初期段階で男性用の服の下に女性用の肌着を着ているシーンがあって、女性用の肌着のまま妻とのセックスに突入していく場面での主人公の性的興奮がその身体表情からこちらに伝わってくるのがまあ白眉!思わずこちらもオッキするレベル
化粧してからもめっさ別嬪さんだしな。ベン・ウィショーに言い寄られて戸惑いながらも実はまんざらでもないんじゃないのって感じの所とかの天然の魔性の女っぷりとかな。エディ・レッドメインの女性性がハマり過ぎて、逆に男性の姿している時がおなべに見えてしまうレベルだ。
この作品でアカデミー賞助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデルも勿論素晴らしい。ちゅか実質W主演って感じだしな。愛する人が隣にいるのにどんど ん遠ざかっていくというとても変則的な喪失感と、それでも寄り添っていく献身とを両立させるというチャレンジブルな役柄を見事にこなしているし。

ボクソール★ライドショー 恐怖の廃校脱出!」4DX版。
よく4DX映画で「アトラクションのような」って物言いしたりするけど、これは形態とかももうかなり「アトラクション」に寄せていってた作品だった。上映時間は短めだが、その代り最初から最後までずっとトップギアでクライマックス。
乗り込んだ瞬間からまさに地獄行きのレールの乗せられ走り出す「ライドショー」。エアーとかスモークとか水とかのエフェクト大判振る舞いもさることなが ら、カメラの動きに合わせて上下左右(この映画は「上下」もあるのだ!)にシンクロする座席の動きが一体感を生み出してライド感アップ!
にしてもあの座席の背もたれからドンって衝撃が来る4DXのギミックはホラー映画と相性良すぎ、っつーか反則だろ!w あんなん絶対ビビるわ!w

映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!」。
前のオールスターズが歌番組を模した物になってたり、姫プリ映画がオムニバスになってたりしてたけど、今回は普通に1本の長編になってました。個人的には想像以上に今回はギャグ成分が結構多めで楽しめましたよ。
今回はミュージカルって事だったんだけど、思ってた以上にいわゆる「ミュージカル」だった。オープニングで突然街中で街中の人たち巻き込んで歌いだす感じとか。ってんで序盤はちょっと戸惑ったけど、中盤は歌自体が物語上のキーアイテムとして扱われていたので歌だけ浮いているという感じは無かった。
そして後半は歌が流れている間に戦闘シーンをタイムラプス撮影(「マトリックス」とかで有名な人や物は停止してるのにカメラだけグルッと回り込むアレ)っぽい映像で流すという演出で一般的なミュージカルから徐々に乖離していき、ラストバトルの頃には「歌謡ショー」の領域に突入していた。
そのラストバトルでミラクルライトをサイリウムっぽい使い方させるってのは、マンネリ化してきたミラクルライトの新しい使い方を模索してる感じでいいん じゃないかと思った。まあ、毎年観てるおじさん視点の意見かもしれないけど(毎年ミラクルライトデビューしてる幼児はいるわけだし)…。
アクション的にはまあ安定の感じなんだけど、人数が増えすぎたプリキュア達の戦闘としてラストバトルではプリキュア軍vs弾幕の集団空中戦という形にしたのは良い手かも。多人数のプリキュアを捌きながらもスピード感は全く落とさないどころか加速させる一方で興奮しました。
現在放送中の魔法使いは勿論、直近のプリンセスやハピネスチャージの扱いが大きめになるのはまあいつもの事なんだけど、今回ピーチ、ブロッサム、メロ ディ、ハッピーの4人がユニットみたく出てきて、彼女たちのパートが笑い要素が多くてとても楽しかった。オールスターズはこういうのが見たいんだよ。
まあ、後は安定のマリンとか、オールスターズでは新人の方の部類の筈なのに何か喋る度に説得力の塊みたいで大先輩感を醸し出すキュア能登ことキュアエコーとかな(エンディングでちゃんとフィーチュアされてるのもグッとくる)。

バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」。
ザック・スナイダーらしい圧倒的にパワフルでグラフィカルなコミックムービーでした。『スーパーマン的アクション』の映像化は前作「マン・オブ・スティール」で証明済みだけど、『バットマン的アクション』もバッチリイケてました。
スーパーマンのような圧倒的パワーのゴリ押しではなく、人間が最先端装備と設備で強化出来る範囲でのパワーとスピードで闇に紛れながら悪党共を一人ずつ駆 逐していく(雑魚無双が出来る)あの感じのバットマンアクションの快感もしっかり網羅されてて、一粒で二度美味しい感じの映画でしたよ。
そんな二人がぶつかり合う際は、スーパーマンをある程度弱体化させ、バットマンの方はアーマーで強化させるという形でパワーバランスの擦り合わせを行い、 出来るだけ激突の爽快感を損なわない感じで調整がされていたよ。でも滲み出るどうしようもないパワーの差というのが全編を通じて味わい深い要素にもなって るが。
今回、同じ世界にスーパーマンとバットマン(更にはワンダーウーマン)を同居させる為に、改めて「世界にスーパーマンを置くとどうなるのか」というのを再 検証されていて、特に冒頭の、前作「マン・オブ・スティール」のクライマックス場面を別視点から再構成していく場面の『災害』感が凄まじい。
アベンジャーズ2作目のクライマックスで出てきた要素を出発点にしてるような物だからまあ重いんだけどもね。アクション的にはめっちゃ爽快感があるが、ド ラマ的には、スーパーマンの圧倒的なパワーにより発生する周囲との歪みと、バットマンの内面から発生するある種の狂気によって進行するというね。
んでそのバットマンを演じるベン・アフレックが、クリスチャン・ベールとかに比べると、悩める若き富豪というよりはちょっとイっちゃってる初老感が出ていて良い。特にあの目。ヘンリー・カヴィルのスーパーマンは前作同様ハマってるし、あとワンダーウーマン役のガル・ガドットが良かった!
今後のフランチャイズに向けての展開や、原作コミックに対する目配せ等、この作品単体では消化できない要素を詰め込み過ぎって感じもあるけど。ただ今回は 前作「マン・オブ・スティール」は観ておいた方がいいかも(映画を観るために映画を観なきゃいけないって個人的にはあんま言いたくないんだけど)。

マジカル・ガール」。
スペイン産のフィルム・ノワール。(架空の)日本の魔法少女アニメがキーアイテムとして使われてるので話題になってるが、描かれてるのはどちらかというと石井隆的なドロドロの劇画世界。歪んだ愛と欲望とが大人達を狂わせていく(あるいは既に狂っている)様が描かれる。
でもまあ「少女の無垢な願いが呪いとなって悲劇の連鎖を生み出していく」って書くと完全にまどマギだよなw。病魔に侵された少女アリシアはなりたての魔法少女で、もう一人の女性メインキャラ、バルバラは体にその呪縛が刻み込まれたかつての魔法少女(つまり今は魔女)と捉えることも出来るし。
にしてもこの映画、余白の使い方が絶妙で、物事を全て描かない分、その描かれなかった部分を観客の想像力に委ねることで、考えを巡らせれば巡らせるほど映 画が豊潤な物になっていくという構造を持っている。映画の残虐度すら観客各個人の想像力のキャパシティで決まっちゃうもんな。
例えばバルバラとダミアンの間に過去に何があったのか、トカゲ部屋で何が行われたのか、とか時制的に直接描かれなかった分はもとより、実際に何か起こった 場合でも、行動を起こした方、あるいは起こされた方しか映さなかったりする。そういう余白を観ている方が自ら埋めていく作業が楽しいんだよね。
あと単純にお話として面白い。予測不能でツイストしまくるストーリー展開もそうだし、しれっと挿入される乾いたブラックなユーモアな。あの「それは別売りかい!」って場面ではコメディ的な演出は全然なされてないんだけど館内で笑いが漏れてたし俺も思わず笑っちゃったよw
場面転換のスタイリッシュさやタイミングの切れ味、あそことここが繋がるのかという時制のいじり方、逆にラジオの音声で同時刻の離れた場所を繋げる所など 視覚的仕組みも楽しい。視覚的仕組みといえば「ランポ」って名前の検索サイトや「セーラームーン」って名前のお酒が出てきたりもするよ。

ちはやふる −上の句−」。
人気漫画の原作を旬の人気女優使って間を置かずに2部作で公開、という近年ありがちなフォーマットで不安を煽る部分があったものの、蓋を開けてみれば「今年を代表する日本青春映画の傑作」と言っていいくらいの快作に仕上がっていて、正直…泣かされました。
原作の良さを丁寧に抽出し、1本の独立した映画として成り立つよう上手く再構築した理想的な映画化。製作者側の我が強すぎて「これ原作じゃなくてもいいよ ね」って位の改変も無く、かといって単なる原作のダイジェスト総集編にもなってなくて、原作やアニメを見ている見ていないに関わらず楽しめる。
まずは主演の広瀬すずが素晴らしい! ヒロインとしての存在感も勿論ながら、今回はコメディエンヌとしての才能も開花させて綾瀬千早の「残念な美女」ぶり も完全に再現。あの白目演技もそうだし、大江さんを追いかける時の必死の形相とか、スカートの下にジャージ姿、腰に道具袋の「あーあ」感まで。
そして他の役者陣も良いんだよ。この手の青春群像劇でのキモとなる「役者同士の間で生じるケミストリー」が確実にあった。メインの3人だけじゃなくて大江 さん、肉まんくん、机くん役の役者も素晴らしくて、単なる原作物真似じゃなくてちゃんと映画のドラマに奉仕する仕事ぶりを見せていたもんな。
今回の映画では太一と机くんをキーパーソンとして「持たざる者が、それでもやる事を選び、自らの青春を賭けていく」事を描いて、前編ながらこれ1本できち んとドラマを完結させているのが良い。そのドラマがラストの団体戦にちゃんと帰結していってきっちり盛り上がって感動させて終わらせてくれる。
んで一種のスポ根物なんだけど、そのラストの団体戦も単に「精神的に成長したので勝てました」って精神論になるのではなく、それぞれに勝つためのロジッ クってのが前もって前フリがあった上でそれをきちんと回収して勝利に繋げているのでスカッと爽快に盛り上がれるんだよなあ。
この競技かるたという題材自体がフレッシュだし、その描写も当然フレッシュな物になる。単に競技中のアクション自体のスピード感も凄いし、大会前に競技場 全体で素振りをしてるあの熱気とか、試合中の「チームの勢い」ってのが視覚的に伝わってくる感じとか、映画のルックス的にも非常に面白い。
今回脚本の磨き具合が素晴らしくて、最初と最後で台詞をリンクさせる全体的な構成もそうだけど、序盤で、馴れ馴れしく話しかけてくるけど誰だか分からな い、ってギャグをやりつつ、それがその直後に助けを呼びたいのに名前が分からなくて呼べないって展開につなげる所とか上手いなあと思った。

もう1か月以上お絵描きしてなかったので久々にリハビリお絵描き。ガルパン絵。



2〜3年後の西住殿。女の子っぽい恰好にも興味が無くなってきて普段着はざっくりした格好してそう。

じゃあしばらく活動休止ってことで。


(画・文 P.I.L.)

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